・森田 実「政治大恐慌 悪夢の政権交代」(ビジネス社)
<内容紹介>
2009 年は日本の歴史にとって極めて重大な時期となる。日本政府は、連立政権も民主党も、2008年秋の世界経済の破綻後も、政治路線変更の議論を始めていない。我が国の衆議院議員の任期は2009年9月10日で切れる。政権交代が起こる可能性は50%。自公連立政権が続く可能性はあるが大勝は難しく、参院が少数派の現状では政権力は更に低下する。現状では自公連立政権は崩壊する。2009年の政局を大予測し、今後の日本を記す。
<目次>
* まえがき
* 第1章 政治の貧困が日本の危機の本質である
* 第2章 第三の道への模索と政界再編、大連立の危険性
* 第3章 迷走する麻生内閣の寿命
* 第4章 小沢民主党の外交・防衛政策の危うさ
* 第5章 「ネオコン・市場原理主義」から脱却できない日本の政治
* 第6章 防衛問題で露呈された政治の貧困
* 第7章 現代日本政治指導者論 ―小沢一郎と麻生太郎を比較する
* 第8章 いま何をなすべきか ―鹿児島の同志的友人のK氏への手紙
* 第9章 2009年政局大予測・日本崩壊への五つのシナリオ
* 第10章 「政治の貧困」からの脱却シナリオ
* エピローグ 「政治の貧困」を超克し日本を再生するために
* あとがき
最近、TVでお見かけしないので、どうしたのかと思いましたが、執筆はできるくらいはお元気なようで何よりです。
それはともかく、この本によれば、政治家とマスコミの未曾有の経済危機に対する認識不足により、現在の日本は政策的に危機的状況にあり、抜本的な対策を未だ打ち出せていない自民党と民主党のどちらかを選択することは不毛であり、
1.修正資本主義(脱ネオコン・脱市場原理主義)
2.脱アメリカ(防衛費削減、米関連予算の削減等)
3.平和主義、
を政治理念とする第三の政治集団の登場が必要だと。
確かに、弱肉強食型のアメリカ型グローバルスタンダードの行き詰まりが、今般の未曾有の経済危機を生み出したと思いますし、財政再建より、経済再建を優先すべきという主張には同意します。
それと、民主党も
以下、気づいた点を備忘録としてメモ書きします。
・カネを出せと脅す米国、受け入れる日本
・民主党4つの弱点
@国民との真の一体感を持っていない
A新たな経済情勢と大危機の到来を理解できていない
B新しい時代への政治ビジョンを持っていない。
C2007年夏の参院選から主張が変わっていない
・小沢一郎は、選挙で自公に勝つことしか考えていない。政策論争をしない
・このままでは次の総選挙で小沢民主党が勝ってしまう
・政権交代は必要だと思うが、小沢政権は好戦的なのが危険
・民主党員は小沢一郎が怖くて反論できない
・「The Shock Doctrine」の衝撃
・我が国の政治の根本は平和主義
・ゆえに、田母神氏のような危険な思想が自衛隊内に蔓延するのを阻止するためのシビリアンコントロールは必須
・中道政治家がいなくなった。狂者(過ぎたる人)か、獧者(及ばぬ人)しかいない
・ネオコンと決別する米国、できない日本
・政治の世襲はよくない
・日本の景気回復を妨げている元凶
@麻生内閣の無為無策・無責任
A財務省の財政再建至上主義へのかたくななこだわり
B日銀の利己主義
・日本の政治が脱皮すべき3大テーマ
@平和
A自立〜従米政治からの脱却
B修正資本主義への転換
・「村山談話」は日本外交の基本方針←自虐史観ではない
・ポスト麻生のダークホース:加藤紘一
・(自民でも民主でもない)第三勢力が必要