・日下公人「2009年の日本はこうなる」(ワック)
[要旨]
日本は、国際関係、食料問題、エネルギー問題などについて、心配することはない。総合力で評価すると、日本は世界最高だといえる。本書には、その理由がすべて書かれている。
[目次]
第1章 日本経済の実力―ドルは凋落し、円は上昇する
第2章 日本の外交力―外務省を廃止せよ
第3章 間違いだらけの“食料安保論”―自給率低下は日本のアキレス腱か
第4章 脱石油の時代―原発技術は日本の独壇場だ
第5章 消費税アップ不要論―やるべきことはこれだけある!
第6章 「日本・格差社会」論のウソとホント―日本に「格差社会」はない
自分的には悲観論より楽観論が好きなので、全般的なトーンはいいと思いますが、「核武装」を勧めるのはどうだか。。。
ということで、
いつものように借りてきた本のピックアップを
・円高でもそれほどの打撃を受けない日本経済
・サブプライムローン問題は「信用」「保険」「国家」という三つのインチキから
・失業率より失業期間の長短の方が問題
・総合力で評価すると日本は世界最高
・外務省が使う三つの言葉、これからは使わないでほしい
「国際社会の一員として」「国際貢献」「敗戦国日本の外交」
・外務省廃止/ODA削減〜目的と条件をきちんと書きだすこと
・戦後の洗脳教育が日本を平和至上主義者にした
・日本が台湾を占領するのは、中国にやらないため
・韓国は北朝鮮を抱え込めるか
(東西ドイツ統合では、精神的なダメージの立て直しに時間がかかった)
・日本外交をしっかり確立するには、核兵器を持てばいい。
(それが一番安くて効果的)
・自分の国を自分で守る気概のない国が滅びるのは歴史の法則
・食べ残しを減らせば食糧自給率はUPする
・日本国内での農作にこだわらず、日本がイニシアチブがとれるなら海外生産でもいいのでは
・国産を増やせば食の安全は確保できる
・省庁が縄張り意識を捨てれば、できることはいくらでもある
・農協が圧力団体〜農家の自主性を奪っている
・石油の確認埋蔵量とは在庫のこと
・無駄な公共事業の削減、赤字の国営事業の民営化、国有財産の売却で消費税は上げずに済む
・日本国政府の借金の問題は、結局「国家を信用した自分(個人)が悪かった」で終わる
・少子化は大人たちの幸せの先取りの結果
・少子高齢化対策の基本は結婚させること
(正式なものでなくても正式なものと同等の法的保護を与えればいい)
・母親が三歳まできちんと教育できるよう、思い切った補助をする
・労働力不足は、海外からの人を受け入れるシステムで解決できる
(悪いことをする人は、海外退去してもらえばいいだけ)
・保険、年金は個人責任で
・日本では生まれ育ちはさほど問題とならないし、海外(特に欧州)ではもっと強烈な格差社会
・「中流」階級の出現は近年のこと
・国際社会の中では、日本は格差の少ない方
・年収300万円以下の人が増えているのは、ライフスタイルの変化(無理して稼ぎたくもない)のあらわれ
■著者紹介
日下 公人 (クサカ キミンド)
評論家。日本財団顧問。三谷産業監査役。原子力安全システム研究所最高顧問。1930年、兵庫県生まれ。東京大学経済学部卒業。日本長期信用銀行取締役、(社)ソフト化経済センター専務理事・理事長を経て、東京財団会長を務める。ソフト化・サービス化の時代をいち早く先見し、日本経済の名ナビゲーターとして活躍