酒井順子「女子と鉄道」(光文社)
『負け犬の遠吠え』が社会現象となった著者が、女子ならではの鉄道の楽しみを軽快に描く。
寝台さくら、餘部、SL撮影、そして宮脇俊三氏との想い出……。と鉄納得のエッセイもあれば、鉄道「最中」や女性専用車両について考察する、鉄分の低い女子に楽しいエッセイもある1冊で2度以上おいしい本。鉄道旅をしてみたい女子も、自分の「鉄分」が気になる男子も必読!
【書評】
筆者は「負け犬の遠吠え」では、普通の人がそう思ってもなかなか言い出せないことをカミングアウトして、話題になりましたが、今回も「鉄道好き」を公言したことで、鉄子をカミングアウトした人がかなりいたことを、このブログのエントリーを書くに当たって他の人の関連エントリーを見てわかりました。
このブログの一番最初のエントリーが「今日はJR東海371系に乗りました」となっていることやカテゴリー別に見ても鉄道カテゴリーが3番目に多いことからもわかるように、自分もいわゆる鉄ちゃんの一人であるわけです。
でも、「ポロと旅する」というタイトルがついているように、クルマ系もやっているし、青春18切符には関心ないし、全線完全乗車までやる気はないしという感じです。
ということで、多趣味の中のひとつに「鉄道」があるという認識でいいと思います。
まあ、彼女の場合は「旅」の手段としての「鉄道に乗るのが好き」という感じですね。
そういえば、最近鉄道の写真を撮る人を良く見かけるようになったのは、鉄ちゃんが増えたというより、携帯電話にカメラが標準装備されるようになった影響が大きいと思います。
このブログも、野球系ブログも携帯で撮った写真がポイントになってますしね。
本題に戻って、この本で彼女が鉄道好きになったきっかけが、中学のときに父親が買ってきた宮脇俊三さんの「時刻表2万キロ」を読んだことというのは、わかるような気がします。
というのは、自分が勝手に「三大テツ人」と名づける「宮脇俊三」「種村直樹」「川島令三」の中で、非鉄道ファンから受け入れられるのは、
宮脇>種村>川島
の順だと思うからですが、その点でもこの本は鉄道に関心のない人でも抵抗なく読めると思います。
また、彼女(あるいは女性)ながらでの視点がうまく出ているのは、
・新幹線の「顔」に惚れました
・迷いなし!英国の鉄道ファン
・東大〜京大、「鉄道研究会」の旅
・晩婚、少子化と女性専用車両
・東京新名所「鉄道系グルメ」巡り
・女子と夜行の歯がゆい関係−「あさかぜ」と「さくら」
・Suicaペンギン、可愛さの秘密
・痴漢は犯罪。なのになぜ?
・輪を以って尊しとす−山手線
などのコラムですが、これらのそれぞれについてブログ1エントリーが書けるほどの奥の深い内容です。
キリがないので、このエントリーはここで締めますが(^^ゞ
【追記】
mixiにはこんなこと書きました。
↓
自分的に「三大鉄(道)人」は、
宮脇俊三、種村直樹、川島令三
だと思ってますが、女子が鉄道入りするのきっかけが川島令三の本というのは、まずありえないと思ってます。
種村直樹さんならどうだろう?
作者の場合は、宮脇俊三さんだから納得。
ちなみに、自分的に女子の「三大鉄子」は、
・作者(酒井順子さん)
・矢野直美さん
・菊池直恵さん
だと思ってます。
そんな視点で読んでみてください。