竹村健一「これ一冊で日本と世界の大変化がわかる!」(青春出版社)
ご存じ竹村健一が、テレビや新聞では伝えられていない日本と世界の大変化の潮流を、わかりやすく解説する決定版。「格差」「ワーキングプア」ニュースで語られていない問題の本質から、「米大統領選」を前に見えてきた新たな日米問題、日本人が見落としている震災対策の盲点まで、2008年、これだけ知っていればいい!
例によって、著者の本を読むといつも独自の視点による自論の展開あるいは事例の紹介で「目から鱗」なことばかりです。
たとえば、
「女性の社会進出と少子化は(諸外国の例を見る限り)関連性がない。むしろ、男性が育児に非協力的なのが問題だ」
「日本の伝統的な踊りは日本人の体質に合っているので、日本人の健康増進に貢献している」
この2つはその道の専門家の意見の紹介。
とか、そのほか、アトランダムに気づいた点、
「日本のマスコミは中東の実情を伝えなさすぎる。」
「EUでも日本でも労働者の犠牲の上に経済成長が乗る構造になっているが、それは長期的に見ると(将来への希望が見えず、結婚して子供を作ろうという気もなくなる人が増えて)大きなリスクをかかえることになる。」
「ある中小のメッキ加工業者が材料の洗浄法に液ではなく二酸化炭素ガスを使用してうまくいったの応用で、小型の消火器を開発したら会社が成長した。ように」
「杉村太蔵議員:今の若い人はフリーターが楽だと思ってなっているのではなく、(自分が大学中退であるがゆえに門前払いされたように)正社員になりたいのに企業が間口を狭めて仕方なくの人が多い。議員として経団連の会長に(学歴とか関係なく本人の適性や能力を見極めた上で)正社員の雇用を増やすよう訴えたい。」
「麻生太郎氏の著書『とてつもない日本』から:インドの地下鉄公団総裁の感謝の言葉『われわれは(日本のODAによって完成したニューデリーの地下鉄プロジェクトで)日本から「働くことについての価値観、労働の美徳」について学び、(今までの)労働価値観が根底から覆された』とは書かれているが、日本国内では逆に『偽装』やあら『不正』やら『恥の文化』が薄れている。大人たちが今一度自覚して真摯な姿勢を取り戻し、若い人たちに率先垂範してやらなけばならない」
「日本の多神教的な神道は世界を救うと思うが、日本人には気づいていない人が多い」
「日本は世界一幸運な国」
このあたりは同意できるとして、
「事なかれ主義で経営トップにマイナス情報が伝わらない組織は、かえって組織の弱体化につながっている」
>逆に、問題を顕在化させる例として、トヨタを引き合いに出してますが、去年の9月末の大イベントでのトホホぶり(9月29日・30日)は今年は改善するんでしょうね。間違いなく。。。(皮肉)
>ともあれ、日本もまだまだ捨てたもんじゃないと。。。
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[要旨]
すでに始まっている大変化の予兆を見逃すな。
「格差」「ワーキングプア」問題で語られない、もう一つの視点。
「アメリカ大統領選」を前に見えてきた、日米の亀裂とは。
迫り来る「震災」、日本人が気づいていない対策の盲点が…。
枯渇する「年金」財源を確保するための隠れた改善ポイント。
日本を巻き込む世界大転換の2008年、あなたはどう動くか。
[目次]
第1章 変わる日本と世界の新常識
第2章 変わる企業システムと労働
第3章 変わる国際情勢と国家バランス
第4章 変わる世界の中の日本人
第5章 変わる経済とマネーの流れ
第6章 変わる防災・安全対策と環境問題
第7章 変わる医療とライフスタイル